世界は原発事故をどう見ているか

【環境異見・原発事故】 MSN 産経ニュースより

「私を原発信者にさせたフクシマ」
英紙で環境コラムニスト 2011.3.28 14:45


ニューヨーク・タイムズ(米国)

 ■「規制の乗っ取り」打破せよ

 「米国の、そして全世界の原子力政策のあり方について再考する機会となる」。プリンストン大のフランク・ヒッペル教授は米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿(24日付)で、専門家の立場から、福島第1原発事故をこう分析した。

 ヒッペル氏は米原子力業界を見回し、経済学で「規制の乗っ取り」と呼ばれる現象の典型が起きている、と指摘する。「規制の乗っ取り」とは規制対象の業界が情報力や政治力などによって当局より優位に立ち、規制を都合良くねじ曲げてしまう現象のことで、「これを打破するのは活発な世論と議会の力しかないが、現実にはスリーマイル島事故以来、米原発業界に対する当局の力は低下する一方だった」という。

 一例として挙げられているのは、今回の事故でも深刻な事態に陥っている使用済み核燃料の貯蔵プール。科学者からは繰り返し、より安全性の高い乾式貯蔵施設への移行が提案されてきたが、米原子力規制委員会(NRC)自身がコスト面などの理由で却下し続けてきた、とヒッペル氏は指摘する。

 「規制の乗っ取り」がまかり通る構図は、いうまでもなく日本でも同様だ。「今回の事故のもっとも重要な教訓は、業界と規制当局との関係を変えなければならないということだ」との指摘は、まさしく日本にも当てはまる。

そういいながらもヒッペル氏は“反原発”ではない。「原発は米国の電力の20%を供給し、気候変動問題の解決にも欠かせない。われわれは現存の原発をより安全にするとともに、より安全な次世代原発の開発をめざすべきだ」。悲惨な福島の事故はそうした目標に向かって前進するための得難い機会でもあるのだ、と結論づけている。(ニューヨーク 松尾理也)




ガーディアン(英国)

 ■私を原発信者にさせたフクシマ

 22日付の英紙ガーディアンで環境コラムニスト、ジョージ・モンビオ氏は「なぜフクシマは私の不安を取り除き、原発を許容させたのか」と題して「原子力は想像できる範囲で最も厳しい試練に直面しているが、人類や地球への影響は小さい」と指摘している。

 モンビオ氏は地球温暖化に警鐘を鳴らしてきた環境派だ。温暖化対策のため温室効果ガスを出さない原子力を見直す動きには距離を置いてきたが、福島第1原発事故を目の当たりにして原発推進派に転じたと打ち明ける。

 「不十分な安全機能しかない老朽化したポンコツ原発を怪物のような地震と巨大津波が襲った。原発は爆発し炉心溶融を始めたが、知り得る限り誰一人として致死量の放射線を浴びていない」と語り、環境保護派は放射能汚染の被害を誇張し過ぎているとも批判する。

 モンビオ氏はまた、「エネルギーは薬と同じでどんなものでも副作用を伴う」と指摘。太陽光など、再生可能なエネルギーを促進する必要はあるものの、原発による電力供給をすべて再生可能エネルギーに置き換えることはできない。

 環境保護派は風や川の流れをエネルギーに転換する牧歌的な理想を唱えるが、水力発電は川の流れをせき止め自然環境を破壊する。 英イングランド地方では1800年に1100万トンの石炭が産出されたが、これと同じエネルギーを得ようとすれば4万4500平方キロメートル超の森を切り倒す必要があるという。

 モンビオ氏は「原発を廃止したらそれに代わるのは森でも水でも風でも太陽でもなく化石燃料だ。石炭は原発の100倍の害をまき散らす。原子力産業のウソは嫌いだが、フクシマは私を原発信者に改宗させた」と結ぶ。(ロンドン 木村正人)





もとの記事はこちら  ↓
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110328/amr11032814520005-n1.htm



* * * * * * *

先日原発論議したイギリスの友人が教えてくれた記事。
(彼女は、2年前に共通の趣味で知り合った日本人)

その後、また彼女とこの件でやりとり。



友人:
「自分のことも含め、落ち着かなかったり、気の滅入ることばっかりで、
おまけにデイライトセービングが始まって、たった一時間早くおきることになったのが
響いているのか、体内時計が狂い、なんだか眠気ばかりの今週だった。


原発関連の署名とかもしたい、しないと…と思ってはいたのだけど
ちょっと考えて、反対ならば代替案を探したりしつつ
自分なりの答えを見つけたいと思っていて…でも専門家でもないから、
人の意見を読んだり聞いたりでの判断でしかないんだけど、

風力・太陽熱発電とかでは、今までの供給の仕方でいくならばだけど、
とてもじゃないけど足りなくって、石炭とかはすごく公害がでる…
で、一昨日読んだイギリス人ジャーナリストの記事で
彼は今回の日本の災害で原発支持に傾いたっていう意見もあって
まあ、全面的に現時点のありかたを支持というのではなく
新たなやりかたでの原発支持ではあるんだけど、これについては
その記事の抜粋なりを明日送りますね。今、手元にないの。

でも、やっぱり新しいエネルギー供給、需要の仕方は絶対に
大きな関心ごとに益々なっていくんだろうし、この機会に
みんなで色んな発見、議論が展開されると思うと
この教訓をうまく生かさなきゃ、今生かさないでどうするっていう気になるね。
笑っちゃうのは、日本では、何かと『自粛、自粛』って、
やりすぎな人がいるってアメリカでたたかれてるってね(笑)」




私:
「ありがとう。

そういう論理も成り立つかなあ、とは思う。

でも根本的に、これまでのエネルギーの使い方や
使用量をそのまま、維持するためには・・・ってことよね。

そこをまず、考え直すことからしないとだめなんじゃ。

それに、まだまだ地震と原発被害は終わってないから
何が起こるかわからない。プルトニウムまで溶け出すか?
って言ってるのだから。

確かに老朽化したあんなチャチな建て屋や設備じゃ
お粗末すぎるけど、だからって、最新のテクノロジーと
それをまた進めて今後も使い続けること自体にもエネルギーが
かかるのだから・・・

とにかく、いつも私のロジックは同道巡りだけど、
世界中の緑がなくなったことも、化石燃料使用以上に
温暖化が進む原因にもなったと思うし、
火力発電 がだめだから、即 原発 というのは
あまりにも直載的すぎる考えのような気もする。

この人は影響力のある書き手なの?
ガーディアンかあ。」





友人:
> でも根本的に、これまでのエネルギーの使い方や
> 使用量をそのまま、維持するためには・・・ってことよね。
> そこをまず、考え直すことからしないとだめなんじゃ。

「そうね、そこから真剣に考えはじめないとね、みんなでね。
私もこの記事に関しては、こういう考えもある、という感じで
あと、何か起こったから即座に『反対!』とか『支持!』とか
なってしまうのが苦手というのもあり(特に欧米で多い気が)
自分で考える機会かなと思ってる。

今まで、原発ってどことなく気持ち悪いな~っとは思ってて、自分では
原発で働こうとか、近くに住んでもいいなあなんてことは
全く思ったことない…な、わりには、
あんまり深く考えず電気は使う…という生活で
ダブルスタンダードだった点をまず見直しつつ、
次なるエネルギーのことを勉強しよう…と。

荒波が近いスコットランドの地域では深海の水流を利用して
海底に風車の発電機を木みたいに埋めて電気をつくっているという。
とりあえず小さな島ひとつ分くらいの供給みたい。
日本も土地は少ないけど、海に囲まれてるから、できそうな。


> この人は影響力のある書き手なの?
> ガーディアンかあ。

主に地球温暖化について書いてた人みたい。
今後の展開についての見解とかは述べてないけど、
じゃあ『現状の原発環境でオーケーなの?』って思うと
さびしいわよね。」





* * * * * * * ひさのコメント

原発の存在自体に反対であるのはもちろんだが、
ただ反対、反対と言ってるだけでは埒も明かない。

反対デモが日本も含め、各地で行われる反面、
先日のニュースでは、オバマ大統領も、
「日本の事故の教訓を充分に生かしながら、
 アメリカの電力供給の5分の1を占める原子力発電は
 これまで通り、推進する」とはっきりと言い切っていた。

日本は、ある意味、実験台にされているような気がする。
「あれだけの事故があっても、一般人の被ばくによる死傷者は出ていないじゃないか」
と。。。

色も臭いもない物質に対して、どうしてこんなことが今の初期段階で言い切れるのか?

これで、また推進派に拍車がかかるのが怖い。

震災当日行方不明になっていた東電の作業員2人の遺体が見つかったという。
痛々しい。冥福を祈る。

今、NHKのN響アワーで、エルガーの『チェロ協奏曲』とバッハの『G線上のアリア』(アンドレ・プレヴィン指揮)が流れている。("祈り"の演奏)


合掌。



福島の三春町。
僧侶で芥川賞作家の玄侑宗久さんのお寺の墓石(1000基以上のうち)7割が倒れ、それを起こしているご本人が今、テレビに映っている。

私の好きなジャーナリスト、吉岡忍 氏との対談。
(これから見ます)
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by silverfountain | 2011-04-04 08:37 | <原子力発電>を問う
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