宮沢賢治からのメッセージ ♪

短編集 『注文の多い料理店』 序      


わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
 
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗(らしや)や、宝石いりのきものに、かはつてゐるのをたびたび見ました。
 
わたくしは、さういふきれいなたべものやきものをすきです。
 
これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹(にじ)や月あかりからもらつてきたのです。
 
ほんたうに、かしはばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかつたり、十一月の山の風のなかに、ふるへながら立つたりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。ほんたうにもう、どうしてもこんなことがあるやうでしかたないといふことを、わたくしはそのとほり書いたまでです。
 
ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでせうし、ただそれつきりのところもあるでせうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところもあるでせうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。

けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほつたほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。 



                             大正十二年十二月二十日
                                               宮沢賢治



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d0231842_6291625.jpg●収録作品

『どんぐりと山猫』
『狼森と笊森、盗森(おいのもりとざるもり、ぬすともり)』
『注文の多い料理店』
『烏の北斗七星』
『水仙月の四日』
『山男の四月』
『かしわばやしの夜』
『月夜のでんしんばしら』
『鹿踊りのはじまり』

1924年に、盛岡市の杜陵出版部と東京光原社を発売元として1000部が自費出版同様に出版された。




これに、自らの創作姿勢と生き方について言及したと見られる『序』が添えられている。いずれも、末尾に年月日が付されており、それによるとこれらの作品は1921年から翌年の前半にかけて完成している。思うように売れなかったことに加えて、作品の評判も芳しくなかったため、賢治はその後に構想を立てていた一連のイーハトヴ童話集の出版を取りやめてしまった。このため、賢治の生前に出版された彼の単行本は詩集『春と修羅』と本作品集の2冊のみである。

(Wikipedia より)






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自分でもお祈りできる幼児のための眠る前の祈り その一

「わたしのあたまも わたしのあしも かみさまのすがた です。
わたしは こころにも りょうてにも かみさまのはたらきを かんじます。
わたしが くちをひらいて はなすとき かみさまのいしに したがいます。
どんなもののなかにも おかあさまや おとうさまや すべての あいするひとの なかにも
どうぶつや くさばなや きや いしのなかにも かみさまのすがたが みえます。
だから こわいものは なにもありません。 
わたしのまわりには あいだけが あるのです。」

ルドルフ・シュタイナー 『子どもの教育』 (高橋巖 訳・筑摩書房)より




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12年前、キリスト教徒でもない私(どちらかというと不可知論者)は、"神"という存在をどう捉えてよいかわからず、それをそのまま子どもに唱えさせてもいいものだろうかと思いながらの新米シュタイナー教師でしたが、来る日も来る日も唱えていた4,5年目にしてようやく、このお祈りの本質が違和感なく自分の中に落としこまれました。

そして、最近、上述の賢治の『注文の多い料理店』序。

私が、16年前に(ぎんのいずみの前身である)『ぎんが文庫』というフリースペースをつつじヶ丘のマンションで始めたときの、モチベーションでもあった、私の背中を後押しした本質が詰まった文章に再び呼び戻されました。

そう、震災があったことで。。。

「この2つは共鳴している!」

と、まさに今 感じています ♪


宮沢賢治     1896-1933年
R.シュタイナー 1861-1925年

二人は同時代に生きていました。


私たちは、<すきとほった ほんたうのたべもの>を探さなくてはなりません。



2011年5月28日

ひさの




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by silverfountain | 2011-05-28 06:27 | 精神・心への栄養
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