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『水俣条約』締結 - 拡がる水銀汚染の危険性

時論公論 「"水俣条約"今後の課題は?」 

                      2013年10月11日 (金)菊地 夏也 解説委員

「世界水銀アセスメント」の内容

▽水銀は様々な排出源から環境に出され、分解されず、全世界を循環する。
▽食物連鎖で生物の体内に蓄積していく。
▽ヒトへの毒性が強く、特に胎児、新生児、子どもの神経系に有害などです。

このように水銀は分解されず、地球上を循環し、排出された時点では濃度が低くても食物連鎖の過程で生物の体内で次第に濃縮されていくことが問題です。

水銀汚染の危険性は限定された国や地域の問題ではなく、国際的に協力して排出の削減と被害を根絶することが重要だと考えられ、国際条約が作られることになりました。
 
また水銀の危険性が分かっていても規制が進まなかったのは水銀が常温では液体の金属で電気の伝導性が良く様々な用途で使われているからです。

2005年の世界の水銀の利用状況によると、 全体の利用量は3798トン。
最も多いのは化学工場での触媒などでの利用です。
次はアジアや南米の小規模な金鉱山で金との化合物を作り、金を集めるための利用。

さらに、電池、歯に詰める合金、体温計や血圧計などの計測機器、電気機器、蛍光灯などの照明です。

「水俣条約」は、このように国際的に広く使われている水銀を規制するため、水銀汚染の広がりを食い止めるための一定の効果はあると思います。

しかし、実際に規制するとなると、これまで広く使用され流通していただけに新たな課題も出てきます。





NHK解説員室 解説アーカイブス で続きが読めます。



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新潟水俣病とされる阿賀野川有機水銀中毒に苛まれる地域住民の生活を描いた
『阿賀に生きる』は、このブログでも紹介しました。

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